実はリノベーションにおいて悩みどころが多いのがキッチン。日常生活で頻繁に使用される場所のため、そこでの時間がより快適で自分らしいものであることは重要ですよね。
「どんなレイアウトが使いやすいかな?」
「どれくらいの予算を設定すればいいの?」
「お手入れがしやすい素材がわからない・・・」
何から考えれば良いのか分からない、という方に向けて、レイアウト、設備の選択、メーカーの比較など迷いがちな部分を解説していきます。
理想のキッチンを実現するために、この記事をぜひご参考にしてください。
こんにちは、この記事の監修は一級建築士の林です。
今回は、キッチンリノベーションについて、自分らしい理想のキッチンを手に入れるためのアイデアやトレンドについて詳しく解説していきます。
キッチンリノベーションの注意点やコツがわかり、自分らしいキッチンづくりのお手伝いができれば幸いです。
キッチンリノベーションのスタート
まずはじめに自分たちのニーズや予算を明確にします。キッチンはリノベーションが必要な状態なのか、必要であればどんなキッチンにしたいか、どのくらいの費用をかけられるかなどを考えておくことが重要です。
では早速、キッチンリノベーションのタイミングと費用相場について見ていきましょう!
キッチンリノベーションのタイミング
自宅や中古住宅購入時にキッチンをリノベーションするかを決めるひとつの目安となるのがキッチンの耐用年数。
キッチンの耐用年数は、一般的には15~20年程度とされています。しかし、メーカーや素材の違いによって寿命は変わり、大切に使えば20年以上使用しても問題なく使える場合もあります。
一方、キッチンの部品や設備によっては、10年以内に交換やリフォームが必要になることも。キッチン全体をリノベーションしない場合は、部位ごとに耐用年数が異なることを考慮してください。
例えば、水回りやガスコンロなどは、故障や漏水のリスクが高いため、早めに交換することが望ましいです。また、扉や引き出し、カウンターなど、傷や汚れが目立つ箇所は交換するだけで、見た目や使い勝手が良くなります。費用や工事期間を抑えたい場合は部位ごとの交換がおすすめですよ。
キッチンリノベーションの費用と相場
キッチンのリノベーションの費用はどのくらいかかるものなのでしょうか。一般的な費用や相場について解説していきます。
キッチンリノベーションにかかる費用
費用は大きく分けてキッチン本体価格と工事費用の2つ。工事費用は、キッチンの型やサイズ、工事の内容や規模によって変わりますが、一般的には、キッチン本体の価格の約50%から70%程度が目安となります。
それぞれの内容を見てみましょう。
キッチン本体価格
キッチンの基本的な部分であるシンク、コンロ、水栓、収納などを含む価格のこと。キッチンのグレードやオプションの有無によって、価格は変わります。キッチンの取付費用はこの本体価格に含まれます。
工事費用
キッチンのリノベーションに伴う以下のような費用のこと。
現場養生費 | リノベーション中に壁や床を傷めないようにするためのカバーやテープなどの費用 | 解体工事費 | 古いキッチンを取り外して処分するための費用 | 電気・ガス・給排水管工事費 | キッチンの機能を使えるようにするための配管や配線の費用 | 内装工事 | キッチン周辺の壁紙や床材の費用と張り替えるための工事費 | 諸経費 | 業者の人件費、交通費、通信費などの経費 |
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キッチンリノベーションの相場
キッチンのリノベーションに必要な予算は、どのようなリノベーションをするかによって異なりますが、一般的な目安は以下の表のようになります。
50万円未満 | キッチンの部分的な交換や追加。 例えば、食洗機、コンロ、水栓、扉やカウンターなど。 |
50~150万円未満 | キッチン本体を新しくする。 壁付けから対面型にするなど、位置はあまり変えずにキッチンの形を変えることも可能。 |
150万円以上 | キッチンの位置を大きく変える。 水道やガスなどの配管を移動させる必要がある場合。 |
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キッチンのレイアウトの基礎知識
次は、キッチンの主なレイアウトの種類のご紹介です。
キッチンのレイアウトは、キッチンの配置と形状によって分類できます。
配置に基づく分類、キッチンが壁に沿っているか、ダイニングやリビングと一体になっているか、それとも独立した部屋になっているかの3パターン。
形状に基づく分類は、キッチンのシンクやコンロ、冷蔵庫などの配置をI型、II型、L型などのアルファベットで表します。
それぞれのレイアウトには、メリットやデメリット、使いやすさなど特徴がありますよ。
配置に基づく分類
アイランド
キッチンの一部が島のように浮かんでいるようなレイアウト。どの方向からでもアクセスできるので、家族や友人と一緒に料理を楽しむことができます。また、アイランドの一部をカウンターやテーブルとして使うことも可能。
メリット |
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デメリット |
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ペニンシュラ
キッチンの一部が半島のように突き出ているようなレイアウト。ペニンシュラは、アイランドと似ていますが、一方の端が壁や柱などにつながっている点が異なります。
メリット |
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デメリット |
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壁付け
キッチンが壁に沿って設置されているレイアウト。限られたスペースを有効活用できる
レイアウトです。
メリット |
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デメリット |
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独立型
キッチンが他の部屋から独立しており、集中して作業ができるプライベートな空間。
メリット |
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デメリット |
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形状に基づく分類
Ⅰ型
コンロ、シンク、調理スペースが一直線に並んだキッチン。キッチンのスペースが狭い場合でもうまく配置することが可能です。
メリット |
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デメリット |
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Ⅱ型
シンクとコンロが別々に配置されているキッチン。作業効率が良いレイアウトです。
メリット |
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デメリット |
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L型
キッチンのシンクとコンロがL字型に配置されているレイアウト。壁を有効活用して設置できるので、作業スペースが広く、収納スペースも多いのが特徴です。
メリット |
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デメリット |
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キッチンのデザインの要素
キッチンはインテリアの印象を決める重要な場所。ここからはデザイン要素となるカラー、素材、照明について説明していきます。
カラーパレットと素材の選定
キッチンがリビングと一体になっている場合、キッチンがリビング空間のカラーテイストや素材と調和がとれてるか全体を見たカラー計画が大切です。
そこで使われるのがカラーパレット。リビングの床や壁、家具やカーテンに使われている色を3~5色に絞ってみましょう。
空間の配色の黄金比率はベース:アソート:アクセント=60:30:10と言われています。
60% | ベースカラー(床、壁、天井) |
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30% | アソートカラー(テーブルやソファー等の大型家具) |
10% | アクセントカラー(インテリア小物や植栽など) |
キッチンをメインカラーにする場合
キッチンと他の部屋に一体感を持たせたい場合、キッチンのカラーをメインカラーにするとよいでしょう。
キッチンと壁や床の色を同系色にすることでキッチンを周囲に溶け込ませ、スッキリとした空間となります。
アソートカラーを取り入れる場合
キッチンを強調したい場合、キッチンのカラーをアソートカラーとして考えていきましょう。
他の部屋のメインカラーと色相またはトーンを合わせつつ、キッチンをメインカラーと異なる色にすると、メリハリのある空間となります。
(色相は色の種類や種類の違い。トーンは色の明るさや暗さ。)
キッチン照明の重要性
キッチンを計画するとき、照明の重要性は意外にも忘れがち。照明は単なる明るさを提供するだけでなく、キッチン全体の雰囲気や機能性にも影響を与えます。また、細かい作業をするキッチンでは、リビングやダイニングとは異なるポイントを考慮して照明を選ぶ必要があるんです。
では、キッチンの照明を選ぶときのポイントを4つ挙げてみましょう。
明るさ
キッチンは調理や配膳などの作業がしやすい明るさにすることがポイント。
明るさの目安としては、1帖あたり40W相当または450lm(ルーメン)と覚えておきましょう。
照明は全体照明と手元灯を組み合わせるのが理想的です。
吊戸棚がある場合は棚下灯も取付けましょう。天井面は埋め込みのダウンライトやペンダント、壁にスポットライトを取り付けることで、全体的な明るさを確保できます。
手元灯は、手元に影が出来ない位置になるようによく検討しましょう。
キッチンの形状に合わせて照明を配置することも重要です。細長いキッチンには細長い形状の照明器具を、広いキッチンでは複数の器具を配置して隅まで光が届くような計画が必要です。
照明の工夫によって、キッチンでの作業がより快適で効率的になりますよ。
あかりの色
照明のあかりには大きく分けて「電球色・温白色・昼白色」という3つの色味があります。
キッチンの照明の色温度は、個人の好みにより異なりますが、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
引用:https://sumai.panasonic.jp/
電球色 |
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温白色 |
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昼白色 |
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LDKが一続きの部屋の場合はリビングもしくはダイニング照明との兼ね合いも注意しておきましょう。
リビングやダイニングを電球色にした場合、キッチンを昼白色にするとキッチンだけが浮いてしまいます。そんな時は温白色がおすすめ。温白色は電球色と昼白色のいいとこどりで、昼白色ほど白くないので、失敗が少ない色です。
照明器具の種類
2010年頃から急速に普及し始めたLEDランプ。キッチン照明も主流は蛍光灯からLEDランプとなりました。蛍光灯は光が全方向に拡散しますが、LEDは特定方向に向かって光が出る性質があります。
LEDランプをキッチンの照明に使用する場合は、光が拡散される乳白色のセードなどで覆われた、まぶしさのない器具を選ぶと良いでしょう。
また、キッチンは蒸気や油煙があがる場所。照明器具にも油汚れがたまります。掃除のしやすさも考慮して、カバーで覆われた照明器具を選ぶとお手入れが楽になりますよ。
交換方法
LED照明器具には「ランプ交換型」と「ランプ一体型」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ランプ交換型 |
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ランプ一体型 |
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LEDの寿命は約40,000時間(約10年)と長いですが、ランプ一体型は寿命が来たら器具ごと交換する必要があります。
ランプ交換型は後からランプ交換が可能ですが、器具の種類が少なく価格も高い傾向にあります。選択は使用環境や好みに応じて行うと良いでしょう。
カウンタートップの選び方
キッチンのカウンタートップを選ぶ際には、機能性、デザイン、耐久性などさまざまな要因を考慮する必要があります。
まずは高さを決めましょう。使いやすい高さは以下の計算式から算出できます
使いやすい高さの目安(cm) = 身長(cm)÷ 2 + 5(cm)
次に材質です。
ワークトップに使われる素材は主に8種類。それぞで特徴とメリットデメリットを見ていきましょう。
天然石
御影石や大理石
- 高級感がある
- デザイン性が高い
- 価格が高い
- 多孔質なので汚れやすい
- 変色しやすい
- 固いため、食器が割れやすい
- 重いので施工が大変
人工水晶石
天然のクォーツ(水晶や石英)93%と樹脂で成形したもの
- 天然石のような質感
- 耐熱性が高い
- キズが付きにくい
- 固いため、食器が割れやすい
- シンクのつなぎ目がでてしまう
人工大理石
アクリル系やポリエステル系の樹脂でできている
- 耐水性、耐久性が高い
- 熱に強い(アクリル系)
- 汚れが落ちやすい
- 経年劣化で黄色く変色していく
セラミック
ガラスや焼き物のように高熱によって成形されたもの
- 凹凸のある独特の質感
- 耐熱性が高い
- <キズがつきにくい/li>
- 汚れにくい
- カラーバリエーションが多い
- 価格が高い
タイル
- 耐熱性が高い
- 耐水性が高い
- デザインが豊富
- 目地が汚れやすい
- 固いものを落とすとタイルが割れる
- 施工に手間がかかる
ウッド(木)
- 温かみのある空間になる
- 加工しやすい
- キズがつきやすい
- 耐水性が低い
- 耐久性が低い
- 定期的にお手入れが必要
メラミン
合板にメラミンシートを接着したもの
- 価格が安い
- デザイン性に優れている
- 耐熱性が低い
- 水まわりでは経年によりメラミンシートが剥がれる可能性あり
ステンレス
鉄(Fe)を主成分(50%以上)とし、クロム(Cr)を10.5%以上含むさびにくい合金
- サビにくい
- 衛生的
- 汚れに強い
- スタイリッシュな印象
- 価格が安い
- 水アカがつきやすい
- 表面にキズがつきやすい
- 無機質な印象
商品の表情や質感は、実物を見るのが一番。気になる素材を見つけたら、キッチンショールームなどで体感してみることがおすすめです。
ダイニングエリアの最適な配置
キッチンと深い関係にあるのがダイニングエリア。配膳しやすく片付けやすいテーブルとの位置関係やレイアウト時の注意点を確認しておきましょう。
ダイニングテーブルのレイアウト注意点
ダイニングテーブルのレイアウトにはいくつかの注意点があります。
スペースの確保:
ダイニングテーブル周りには適切なスペースを確保しましょう。
椅子を引くためのスペースとしてダイニングテーブルと壁の距離は60センチ程度。椅子の後ろを人が通る場合は90センチ以上確保しましょう。
移動や利用がスムーズになります。
照明の配置:
ダイニングテーブル上には適切な照明を配置しましょう。ペンダントライトやシャンデリアなど、明るさを調整できる照明がおすすめです。
テーブルの大きさと形状:
ダイニングテーブルの大きさと形状は、利用するスペースに合わせて選びましょう。部屋の広さや形状によっては、円形や正方形のテーブルが適している場合もあります。
椅子の配置:
ダイニングテーブルの周りには、椅子を均等に配置しましょう。一般的な寸法として、一人の幅は60センチ程度です。
キッチンに横並び配置(平行配置):
キッチンの機器やシンクに対してダイニングテーブルを横に配置。スペースを効果的に利用でき、アクセスがしやすい配置です。調理中の様子を見ながら食事を楽しめます。
キッチンに直角配置(T字型配置):
アイランドキッチンなどの場合の配置。
キッチンとダイニングエリアが明確に分かれ、キッチンの動線が比較的スムーズで、キッチンでの作業がダイニングエリアに影響しにくい配置です。
ダイニングテーブルがキッチンに接しているので、料理する人と食事する人で会話がしやすくなります。ただし、コンロやシンクがダイニングテーブル側にある場合は油ハネ・水ハネが気になるかもしれませんので注意が必要です
キッチンとテーブルを離して配置:
キッチンが壁付けの場合や、ダイニングスペースが広い場合。テーブルのまわりを回遊できて移動がラクな配置です。
キッチンがオープンスタイルで壁付けの場合はダイニングテーブルとキッチンとの間隔が広すぎると配膳・下膳が大変に。また狭すぎると椅子に座っている人が邪魔になることがあります。
キッチンとダイニングテーブルの椅子側が垂直になるように置くなら、間隔は約80cm程度が◎。キッチンと椅子側が平行になるように置くなら、間隔は100~120cm必要になります。
これらの注意点を考慮することで、ダイニングテーブル周りを心地よい空間に仕上げることができます。
キッチンリノベーションの注意点とポイント
キッチンは家の中でも特に水やガス、電気などの設備が集まる場所なので、リノベーションするときは慎重に計画する必要があります。
ここでは、キッチンリノベーションの際に注意すべきポイントをまとめてみました。
キッチンの位置を変える場合
配管や配線の移動をしたり、長くしたりする必要があります。これは工事費用や工期に大きな影響を与えるので、配管や配線のルートや勾配を確認しておくことが大切です。
マンションの場合は、パイプスペースや床の工法によって配管の移動が制限されることもありますので、管理組合や施工業者と相談し、どの位置なら変更可能かを確認しましょう。
キッチンの設備を変更する場合
電気やガスの容量に注意。キッチンの機器が消費する電気やガスの量が、住宅で利用できる容量を超えないようにしなければなりません。ご自宅の電気容量は、分電盤のブレーカーに記載されている契約アンペア数で確認できます。
ガスの容量は、ガスメーターの号数で調べられますが、わかりにくい場合はガス会社に問い合わせて確認しましょう。
マンションのキッチンリノベーションの場合
戸建てよりも制約が多いことがあります。管理規約や電気容量・ガス容量などを確認して、希望の機器が使えるかどうかをチェックしましょう。
また、新しいキッチンが既存のものより大きい場合は、搬入経路や搬入方法にも注意が必要です。エレベーターや階段が狭いと、搬入が困難になることもあります。
スタイルとデザインの決め方
ここまで、キッチンの配置やデザインについて見てきました。キッチンリノベーションでは決めることが盛りだくさんですよね。ここでは、キッチンのスタイルとデザインの決め方とトレンドについて解説いたします。
キッチンスタイルの選び方
近年主流になっているのはオープンキッチン。調理をしているときでもリビングやダイニングにいる人たちとコミュニケーションが取りやすい人気のレイアウトで、新築住宅のキッチンは、ほとんどがこのスタイルです。
「オープンキッチン」のレイアウトで1番人気のオススメは?
キッチンのレイアウトは使う人のライフスタイルとお部屋の広さによって変わってきます。
家族構成や料理の頻度など、生活スタイルによってベストなレイアウトが決まります。
ホームパーティをしたり、家族で料理を楽しみたい場合はどんなレイアウトがいい?
アイランドキッチンがオススメ。
壁からキッチンが離れ、島のように独立したレイアウトなので、周囲を回遊でき、2人以上でキッチンを使ってもぶつかりにくくスムーズに料理ができますよ。
ただし、広いスペースを必要とするので、お部屋の広さによっては圧迫感がでてしまいます。アイランドキッチンにするには、LDKにある程度の広さが必要です。お部屋のかたちにもよりますが、キッチンに最低8帖程度のスペースがあるとよいでしょう。
あまり料理をしないけどかっこいいキッチンが欲しい
ペニンシュラキッチンがオススメ。
片方が壁付けになった半島のようなレイアウトで、住宅設備というよりオーダー家具のような佇まいが特徴です。
2人以上でキッチンに立つことを想定するならば、バックカウンターまでの距離を広めに取るとよいでしょう
共働きで忙しく、キッチンをいつもキレイにしておくのは難しいけど、子供達の様子をみながら料理したい
ハイステップ対面キッチンがオススメ。
キッチンカウンターを高くし、コンロ前に壁を設けることで手元やキッチンツールが隠れますが、LDKの一体感は保てます。
また、壁があることで、油はねや水はねなどを防ぐ機能性も兼ね備えています。
キッチンダイニングで6帖しかないけれど、お料理が大好きなので効率よく動ける広いキッチンが欲しい
壁付けのL字型キッチンがオススメ。
L型キッチンは片方にコンロ、もう片方にシンクがあるのが一般的で、効率よく動けるキッチンです。コンロが壁付けできるので、油はねもしにくく、スペースも有効活用できるレイアウトです。
希望のキッチンにするために、相談するときは、どんなことをおさえておけばよいでしょう。
ライフスタイルをしっかり伝えましょう。
- 使用人数:一人で使うのか、二人以上で使うのか
- 使用頻度:外食が多くほとんど料理をしない、料理が好きでよく料理をする
- 料理の種類:パーティーなどの大人数の料理をすることが多い、パンやお菓子づくりが趣味
など。他にも家具や食器、調味料などの量を把握し、冷蔵庫の希望サイズを決めておくと安心です。
キッチンデザインのトレンド10選
キッチンの壁などの仕上げ材は、キッチンの見た目を大きく左右します。タイル、パネル、クロスなど、さまざまな素材から選ぶことができるので、気に入ったキッチンの写真などを見せて、イメージを伝えましょう。
細部の写真だけでなく、キッチン全体やお部屋まで写っている写真の方が、全体の希望イメージが伝わりやすいですよ。
仕上げの素材選びでは、掃除のしやすさと経年変化の好みが重要です。優先順位をつけやすく、満足度の高いキッチンになります。
では、最新トレンド10選をご紹介していきましょう。全体のイメージを作る参考になさってください。
1.ストーン
ストーンは、豊富なカラーや柄の種類があり、さまざまなデザインに対応することができ、キッチンに高級感や洗練された雰囲気を演出することができます。
カウンタートップから天井までの汚れ止めパネル、そしてカウンターから床までキッチンアイランドをストーン板で取り囲んだキッチンは耐久性に優れており、長く使用することができます。
2.異素材ミックス
異なる仕上げの素材をミックスしたキッチンは、高級感のある魅力的な雰囲気を演出することができます。
具体的には、真鍮やブロンズ、ステンレスやニッケルなどの素材を組み合わせることで、メタリックな輝きや重厚感をプラスすることができます。また、木目や大理石などの素材と組み合わせることで、温かみやナチュラル感を演出することもできます。
3.カラフルな汚れ止めパネル
キッチンに柄や素材感を加えることで、空間に面白さと活き活きとした表情が生まれます。
たとえば、汚れ止めパネルに鮮やかな色やユニークなデザインの柄のタイルを選ぶと効果的。
白を基調とした空間に柄やポップな色を加えることによって、遊び心をプラスすることができます。
4.ナチュラルなテイストを加えた黒
黒は、キッチンの雰囲気をスタイリッシュに演出する人気のカラーです。しかし、黒一色のキッチンでは、圧迫感や重厚感を与えてしまう可能性が。
そこで、最近では、黒に自然素材を取り入れたナチュラルなテイストが人気を集めています。
自然素材を取り入れることで、黒の持つ大胆な印象を抑えつつ、柔らかく落ち着いた雰囲気を演出することができますよ。
5.サステナブル素材
キッチンのトレンドとして、サステナビリティへの意識が高まっています。
普遍的なデザインと、木やストーン、スチールのようなナチュラルで耐久性のある素材でリサイクル性も重視する傾向に。
住宅がより環境に配慮したものになるにつれ、サステナビリティへの意識はさらに高まっていくでしょう。
6.デザイン性の高い照明
キッチンの照明は、機能性を重視して選ばれることが多いのですが、近年では、デザイン性も重視されるようになってきています。
デザイン性の高い照明は、キッチン空間の雰囲気をより豊かに演出することができるため、より個性的な照明選びをする人が増えているのです。
たとえば、ペンダントライトやシャンデリアなど、キッチンの天井から吊り下げるタイプの照明は、キッチン空間に華やかさをプラス。また、間接照明やダウンライトなど、壁や天井に光を当てるタイプの照明は、キッチン空間をより柔らかく、落ち着いた雰囲気に演出することができます。
このように、キッチンの照明は、単なる機能的な道具ではなく、キッチン空間のデザイン要素として、重要な役割を果たすようになってきているのです。
7.インテリアアクセサリーで自分らしさを加える
キッチンは、家族や友人との憩いの場であり、長い時間を過ごす空間。だからこそ、自分の好きなテイストのインテリアアクセサリーを置いて、自分らしさを表現しましょう。
雑貨は、メインの家具とは異なるテイストを取り入れることで、キッチンに楽しさと個性を与えることができます。
特に、アンティークやユニークなヴィンテージは、一般的なアイテムの中でも存在感を発揮し、これからますます人気が高まっていくでしょう。
キッチンメーカー比較
最後に、日本にあるキッチンメーカーの一部をご紹介していきます。
システムキッチンとオーダーキッチンの違いは、価格と自由度です。
システムキッチンは、メーカーがあらかじめ用意した規格品の中から、組み合わせて選ぶキッチンです。そのため、比較的リーズナブルな価格で購入することができ、メンテナンスがしやすいのが特徴です。
一方、オーダーキッチンは、自分の希望に合わせて、サイズや形状、素材、設備などを自由に選べるキッチンです。そのため、システムキッチンよりも高価になりますが、自分だけのキッチンを実現することができます。
予算やこだわりをよく考えて、自分や家族にとって最適なキッチンを選びましょう。
システムキッチン
クリナップ
画像:クリナップ (cleanup.jp)HPより
ステンレスキッチンの老舗。高品質で耐久性の高いキッチン。
シンクや排水口の掃除が楽になる機能や、除菌水を噴霧できる機能などが特徴です。
LIXIL
画像:LIXIL HPより
収納の容量や使い勝手に優れたキッチン。
ハンズフリー水栓やよごれんフードなど、お手入れを楽にする機能が充実しています。
パナソニック
画像: Panasonic HPより
省エネ機能や主婦目線の設計に定評があるキッチン。
ほっとくリーンやスゴピカ素材など、汚れや傷に強い素材や機能が搭載されています。
トクラス
画像:トクラス (toclas.co.jp) HPより
人造大理石の品質と加工技術に優れているメーカー。
業界トップレベルの浄水器や、補修可能な人造大理石「グラーナ」や新質感の「テノール」という独自の素材などが特徴です。
TOTO
画像:TOTO HPより
水栓とシンクの機能に強みがあるメーカー。すべり台シンクや水ほうき水栓など、節水しながらもシンクを清潔に保つ機能が搭載されています。
タカラスタンダード
画像:タカラスタンダード (takara-standard.co.jp) HPより
高品位ホーロー製のキッチン。
家事らくシンクやホーローコートなど耐久性や手入れのしやすさに優れています。
オーダーキッチン
Linea Talala(リネアタラーラ)
画像:リネアタラーラ(linea-talara.com)HPより
全てフルオーダーの高級キッチン。国内のキッチン専属工場で製作するため、知識技術が高く、特別な事にも対応できるのが特徴です。
kitchenhouse(キッチンハウス)
画像:kitchenhouse HPより
40年の歴史を持つ国内のカスタムキッチンメーカー。国内外の様々なパーツや色柄から選び、組み合わせていくオーダー型です。
CUCINA(クッチーナ)
画像:CUCINA (cucinastyle.jp) HPより
原点は家具装飾店。熟練職人によるピアノのような鏡面仕上げがクッチーナの象徴です。
規格化システムキッチンとオーダーメイドの両方の良さをバランスよく取り入れた高級オーダーキッチン。
TOYO KITCHEN(トーヨーキッチン)
画像:トーヨーキッチンスタイル(TOYO KITCHEN STYLE)HPより
キッチンとインテリアを融合させた大胆なデザインが特徴的。照明や家具なども同時購入できるため、空間のトータルコーディネートが可能です。上面、中面、底面に分けて立体的にフル活用できる3Dシンクが有名。
松岡製作所
画像:株式会社 松岡製作所 (matsuoka-pro.com)HPより
金属加工業をルーツとしている松岡製作所は美しいステンレスきっっちんが魅力。
フルオーダーメイド制で、打ち合わせをしながらゼロからキッチンを作り上げていきます。オーダーメイドキッチンの中ではお手頃な価格。
気になるメーカはありましたか?他にも、海外メーカーで数千万円かかる高級キッチンやIKEAやニトリなどお手頃価格のキッチンもあります。予算と相談しながら、好みをキッチンを探しましょう。
おわりに
キッチンは毎日の生活に欠かせない場所。だからこそ、リノベーションする際は自分のライフスタイルやニーズを考慮し、快適な空間を手に入れたいですよね。計画や見積もりについては、信頼できるリフォーム会社やリノベーション会社に相談しましょう。
この記事を読んだみなさんが、自分らしいキッチンリノベーションを実現できたら幸いです。